胎児のエコー写真見せられてもなぁ

　結婚してからだんだんと疎遠になっていた友人からメールが来た。

「流産しそうで入院したんだけど、暇してるから良かったらおしゃべりついでに来て！」

というメール。

そういや、ついこの間、妊娠報告メールが来たので

おめでとうメールを返信したんだっけ・・・？入院？

あわわあわわ～！大変！大丈夫？どんな具合よ？

ホントにお見舞いなんて行っても良いの？

と、尋ねたら是非にということなので、お見舞いセットをもって馳せ参じる。

　行ってみると、旦那様が！？（仕事はどーした？）

妻と胎児が心配で休んだそうな。（へぇ・・・昭和オンナの私には理解不能）

容態は４～５日の安静と点滴で退院予定だとか。

とにかく暇なので、暫くご無沙汰の私なら（未婚で時間を自分の為に使えるひと）

遠慮なく誘えるかな♪って事らしい。（私だってそれなりに色々抱えて生きてるんだけど伝わりませんか？）

ご主人が一日中つきそってくれてても暇だそうで・・・。

　私が椅子に座るなりご主人が

「そうだ！Ａ子（仮名）ポピさんに母子手帳とエコー写真みせてあげたらッ♪」

（オィオィ！Ａ子もＡ子だけどご主人の頭ン中もだいぶ・・放送禁止用語・・だな。）

　あぁ。ここで正解！模範解答！を言わないとねっ！頑張れ自分！

ありきたりな『女子用語』を羅列すれば乗り越えられるから！大丈夫！自信をもって！さぁ！声のトーンを上げて！


「きゃぁ～～～ちいさぁ～ぁ～い！ かぁ～わぁ～ぅいぅ～ぅいぅ～ぃ！ しゅごぉ～ぅ～い！母子手帳うらやまし～！幸せ家族の象徴！」


「入院も短く済みそうだし、旦那様がずっとついててくれるんだったら私が来なくても大丈夫じゃな～いもぉ、心配して損しちゃった」

その後、既婚者には当たり前でも未婚者には自慢にしか聞こえない話を

右から左、左から右へ聞き流して帰宅の途についたとさ。

（はぁ・・・お疲れッス。私。大丈夫、 相手を有頂天にさせられたから、粗相は無かったと思う！！コレが相手の望んでた展開だから！）

それにしても、あ～疲れた疲れた、つ～か～れ～た～。

　友人の幸福と危機を心から祝福＆心配が出来ない私は

人として異常過ぎるのか？ケッ！しょうがないじゃん。

下から上を見上げながら生きてる時と

上から眺めるのとでは、景色も心持も違うのよ。

下から上じゃ「余裕や受容」が無いのよ。

上から眺めた～い。


　そういえば、昔、頭の中がマダラな状態になっちゃった父をつれて

近所のスーパーに行き、そこのコーナーの商品全部欲しいとゴネるのを

なんとかなだめてたら、そのすぐそばを中学時代の友人が

大きなお腹をしつつ小さな子供の手を繋いで通っていったなぁ・・・。

あ、当然ヨレッヨレの私に気付くはずもない・・っていうか気付かないフリ？

あ～あ～そおだよ～おぉ～。

そぉなのよね～！神様ってば